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0.銀河散策

  • 執筆者の写真: Bio Sinfonia
    Bio Sinfonia
  • 2012年10月1日
  • 読了時間: 5分

更新日:9月23日


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あなたが今いる、『ここ』とは、

どこなのでしょうか?

「ところで、ここは一体、どこなのだろう・・?」

このありきたりな質問を、もう一度まっさらな心で、自分自身に問いかけてみてください。

あなたはこの問いに、なんと答えるでしょうか?

どの答えも、あなたの答えです。

さて、ここは、ひとつの銀河です。

あなたは今、この星の重力という恩恵を受けて、宇宙のど真ん中に命綱なしで浮かんでいます。

この宇宙に、どれだけあるか分からない世界の中の、あるひとつの銀河系の中の、地球という星に浮かんでいる、『あなた』です。

そんな宇宙に浮かびっぱなしの私たちの存在もまた、小宇宙そのものです。

私たちの体は、まるでひとつの小天体です。

体中にある小さな細胞は、まるで極小の銀河です。

あなたの中のあちこちで発火されるニューロン反応は、星屑の瞬きです。

こんな私たちこそ、まぎれもなく宇宙人であると言えるでしょう。

私たちは、日本人である前に地球人であり、地球人である前に、宇宙人です。

それぞれの宇宙人が、"自分"という星を舞台に、地球という場をシェアしながら、ここに生きています。

にもかかわらず、私たちの知能は、いつの間にか「自」と「他」を分ける分別作業に夢中になり、 それぞれに名前をつけて細分化させているうちに、 大前提である 『 宇宙生命体である 』 という認識を、ど忘れしてしまいました。

この星に息づく全ての生命は、宇宙生命体であり、私たち人間もまた、宇宙人です。

ある日、あなたが仕事の途中で、ちょっと理解しがたい不愉快な相手に出会った時‥、もう何も取り乱す必要はありません。

その人は、まぎれもなく宇宙人です。

あなたとは違う世界を生きる、宇宙人なのです。

そして、そんなあなたもまた、その人にとっては、理解しがたい宇宙人、違う世界の人間であるのです。

私たちが、こんな単純な原理を、ど忘れしてしまうことがなかったら、「人とは違う」「自分とは違う」という理由から、さまざまな軋轢が起こる必要はなかったでしょう。


苦しむことなく、もっと楽に、自分とは違う存在を、ありのままに尊重し合えるようになっていたことでしょう。

「なるほど驚いた。あなたの宇宙では、そんな信じられない考え方がスタンダードなのね」

「何とも斬新な!僕の宇宙ではありえないけれど、君の宇宙では、そうなってしまうんだね」

と、それを"それ"として尊重しながらも、自分自身は『ありのままの自然な自分』を当たり前に大切にすることができるのです。

「違う」という大前提を、真に大切に扱うことができれば、違うことは豊かさになり、同じことは喜びになり、それら全てが学びに繋がり、高め合うことを楽しむことができるのです。

人間同士に限ったことではありません。

動物、植物、木々、虫たち、鳥たち、魚たち、微生物たち・・

ありとあらゆる宇宙生命体の存在を、支配し、操ろうとするのではなく、「彼らの世界を尊重する」という当たり前の礼儀を、もっと大切に慈しむことができるのです。

どの宇宙生命体も、本当に目を覚ましてまっさらな心で眺めてみれば、それは自分という星の概念を超越した、神秘に満ちた崇高な存在に他なりません。

木は、生まれた場所から動くことはありません。

ひとつところに根っこを生やし、通り過ぎゆくものに恵みを分け与えます。

どこに行くこともなく、ただその場所で「自分で在り続ける」ことを純化させていきます。

人間とは違って、しゃべらず歩かず、交流する方法を持っています。

それは木が、この星の営みと、他のあらゆる宇宙生命体の存在を信頼し切っているからこそ、成せる生き方でもあります。

人間よりも長い時間をかけて木を営み続け、やがて大地に返ったあとも、その原子は恩恵として地球を巡り続けます。

こんな彼らの宇宙観の覚悟を、足のある私たちが、車や電車や飛行機などで移動し留まることを知らない私たちが、たやすく理解できるものでしょうか?

だからこそ、この星には、お互いが学び合い、高め合い、尊重し合うことによって成り立つ、異種を交えた営みの場が用意されているのです。

それぞれが、人間とはまったく違うやり方で子孫を繋ぎ、生命を展開させ、世界に溶け込み、調和を体現し、与え合っています。

あなたを取り巻く存在は、すべて宇宙生命体です。

あなたが出会い、おしゃべりしているその相手は、宇宙人です。

同じ家族でさえ、夫婦でさえ、親子でさえ、同じ星の人間であるとは言えません。

その人は、『その人』という、輝く星の生命体であり、宇宙人なのです。

どうぞ今日も、この世界の銀河散策を楽しんでください。

虫たちを讃え、花々を祝福し、人の心に触れ、鳥たちの音楽に耳を澄ませてみてください。

私たちは、こうして同じ銀河のフィールドに居ながらも、違う宇宙を生きているのです。

そして、あなたが望みさえすれば、違う宇宙人・違う宇宙生命体同士が、生の営みや楽しみ、痛みや喜びを共有し、分かち合えるようにできているのです。

これを『最高の奇跡』と呼ばずして、なんと呼ぶことができるのでしょうか。

どうぞ思う存分、この豊かな銀河の奇跡を謳歌してください。

あなたが理解できない相手に戸惑うときこそ、あなたは別の宇宙の概念に出会っているという奇跡を、思い出してみてください。

最後に、

とっておきの秘密をお伝えしましょう。

この美しい銀河のカオスを渡り歩くための、最高に単純明快な秘訣です。

異なる宇宙の存在同士が、お互いに心を通わせることができる、唯一の 「マスターキー 」が、すでにあなたの中に託されています。

それは、異なる扉の、異なるカギ穴すべてに対応する、たったひとつの「万能キー」です。

あなたの中に、それを見つけてください。

この星では、そのマスターキーの名前を、




『愛』 と呼んでいます。

 
 

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「命の覚醒」について

この読み物は、2012年の秋に書き下ろされたものです。当時はタイトルを「少数派のための解脱道」として、旧ウェブサイトの方にアップしていました。

 

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