13.祝福
- Bio Sinfonia
- 2012年10月3日
- 読了時間: 4分
更新日:2021年8月17日

もしも今、あなたの目の前で、悪態をついてツバを吐き捨てながら、半狂乱の自暴自棄になっている人がいたとしたら。
あなたはその人を、心の中で祝福することができるでしょうか?
もしも、ありもしない心配事を、あなたに何時間もブツブツと浴びせ続けている不安で不安でたまらない人がいるとしたら。
あなたはその人を祝福することができるでしょうか?
「まさか‥そんなこと祝福するような事じゃないでしょう?」と、普通ならば思われる事と思います。
もしも誰かが、見るに堪えない見苦しい状態や、一緒にいるだけで不快になるような状態に陥ってしまったなら、自分もまた影響を受けて、それに対して耐えがたい気持ちを味わうのではないでしょうか?
ある人が怒り狂っているならば、その怒りを一刻も早く何とかして静めてあげなければと、どこか必死になってくるのではないでしょうか?
ある人が可哀そうで仕方がない状況に陥ってしまったなら、どうにかしてその状況を変えてあげられないだろうかと願い、尽力するのではないでしょうか?
そのような考えは、ごもっともです。
しかし、ここでまたひとつ、大胆な思考の転換をしてみて欲しいのです。
「その人は今、それを体験しているのだ」と。
「その体験の、真っただ中にいるのだ」と。
もしも今現在のあなたが、穏やかな気持ちを十分に知っており、幸せな気持ちを十分に知っており、必要以上に焦ることもなく、過度の心配性でもなく、尋常じゃないほどの不安体質でもないのだとしたら、あなたはすでに、それらの事をどこかで体験してきたからです。
あなたはもう、その体験をする必要がないから、「今していない」というだけのことです。
誰かが見ていられないような状況に陥って、自分自身の心までもが蝕まれるような気持ちになった時、『人はみな、したいことを体験するために、この星に存在しているのだ』という真実を、思い出してみてください。
怒り狂っているその人は、悪態をついているその人は、不安で不安でたまらないその人は、その体験をするために今ここにいて、まさに体験している最中なのです。
その体験を、無理やりに奪うことなく、やさしくそっと見守ってあげてください。
そして、出来る事なら、その人がそれを『体験し終える』ことが出来るように、心に寄り添うことで、力になってあげてください。
しっかり体験し終えることが出来ないと、人はまた繰り返します。
何度も何度も同じような事象を引き寄せては、現実を創造し、“同じことの繰り返し”を試みます。
なぜなら、「体験したいから」です。
もっと明確に言えば、“それの本質” を体験したいのです。
本質を体験し終えた時、人は『学び』という地上でのこの上ないギフトをたずさえて、次なるステージへと自己を高めていくことが出来るようになっています。
だから、その人は『学びたい』のです。
嫌だ嫌だと言いながらも、その人の『魂』が学びたいのです。
なぜならそれこそが、魂が肉体をたずさえて、ここに来た理由のひとつだからです。
その人は今、「不安」を体験しているのです。
その人は今、「怒り」を体験しているのです。
その人は今、「失敗体験」を経験しているのです。
その人は、間違っているのではありません。
ただ「それを今、まさに体験している」のです。
どうぞ祝福してあげてください。
そして、そんなあなたは、「そのような人に直面する」という体験を、まさに今しているところなのです。
このことを理解すると、いくらがんばっても変わりようのない相手を変えようと尽力・奮闘するあなたの気苦労は、必要でないことが分かってきます。
あなたはただ、そこで「あなた」をやってください。
手助けしてもいいし、手助けしなくてもいいでしょう。
優しくしてもいいし、厳しくしてもいいでしょう。
言いたい事を言ってもいいでしょう。
今は言わずにおくのもいいでしょう。
相手の手を取り、隣に座ってみてもいいでしょう。
出て行きたければ出で行き、自分を一番大切にしてみるのもいいでしょう。
しかし、心の奥では、そんな相手を祝福する気持ちを、どうか忘れないでいてください。
相手が今、勇敢に体験している真っ最中であることを、あなたの心の深い部分で祝福してあげてください。
そんな今までにない祝福の方法を実践できたあなたは、「新しいステージを迎えた自分自身を祝福する」という、もう一つの新しい喜びを味わう事になるでしょう。
ありのままの相手を尊重した祝福ある行為を、「愛」といいます。
あなたがこの地上に生まれおちた瞬間から、今の今まで、そしてこの瞬間も‥
この星は、あなたに祝福を送り続けているのです。
あなたはその祝福を、どうぞ受け取り続けてください。