relativity～相対性の中のあなた～【vol.2】

StartFragment茨城県には、筑波山という高い山があります。 その高さは、県内一。 ですが、県内一の筑波山でも、 日本一の富士山と比べたら、「低い山」と言えます。 そして、そんな富士山でも、 世界一のエベレストと比べてみれば、「低い山」と表現できます。 比べることによって、同じものでも「高く」もなれば、「低く」もなります。

「大きく」もなれば、「小さく」もなります 「危険」にもなれば、「安全」にもなります。 このように、ものごとを“対比して”とらえる概念を、「相対性」といいます。 「相対性」を利用すれば、ものごとは、どんな風にでも言い表すことができます。 たとえば、【原発はＣＯ２を出さない、地球にやさしい発電です】という広告。 これは、“原料の採掘から～放射性廃棄物の処分まで”の、「全過程においてＣＯ２を出さない」という意味ではなく、「発電時の一過程においてＣＯ２を出さない」・・だから、石油や石炭にくらべて【地球にやさしい】という味合いでした。

非常に限定的で、偏った見方をしてみれば、

いくらでも無理矢理に「地球にやさしい」という表現が出来てしまうのです。

「本当に地球にやさしいか？」とは、まったく関係なく。

この例のように、人の心理を納得させる『ほんの一部分』を切り取って、「相対性」というデコレーションをほどこしてしまえば、商品の広告でも、プロジェクトでも、政策でも、意見でも・・・どんなものでも良い感じの“正論”に化けることが可能です。 前回の記事（↓）では、ヘリコプターによる稲への薬剤散布が 「有機リン系」から「ネオニコチノイド系」にシフトしたという内容に触れました。 （http://biosinfonia.at.webry.info/201501/article_1.html） この「ネオニコチノイド系農薬」は、都会に住んでいようと田舎に住んでいようと、日本人ならほとんどの人が避けようのない、無味無臭の物質です。 地球の生態系 および人体に、 計り知れない影響をもたらすものと分かっている中、 今年も日本全国で「自然にやさしい農薬です」との注釈つきで、 大量に使用されました。 相対性を利用すれば、どんな危険なものでも、「自然にやさしい」「地球にやさしい」と表現することが出来てしまうのです。 このような表現のテクニックは、私たちが自覚している以上に、至るところで使われています。 都合のいい情報に“踊らされないように”と、

片っぱしから疑ってかかることも出来ますが、それよりも効果的な方法は、 「自分が感じていることを、感じてみる」 ということ。 これは簡単なようで、実はたいへん奥が深いことです。 誰もがやっているようで、実はなかなかやれていないことでもあります。 私たちの感受性にちりばめられた“惰性”の中には、 　「感じていることに、気づけない」 　「忙しさのあまり、感じていることを見過ごす」 　「微細な感覚には、フタをする」・・ などの特性が隠されているからです。 まずは何より、自分自身の“フィーリングの存在”に、気づいてあげてください。 そして自分のフィーリングに気づいたなら、それを信頼してあげてください。 自分のフィーリングを信頼した上で、「ＹＥＳ」と感じるのなら、受け入れましょう。 もし「不安だな」と感じるのなら、取り入れるのはやめておきましょう。 なぜなら、物理的要素に関わらず、「恐れ」や「不安」のエネルギーが心身を蝕んでしまうからです。 もし「わからない…！」と分かったのなら、 「どうすれば分かるのか？」を、もう少し先まで考えてみましょう。 「あれ？自分って意外と何も知らないんだな‥」と自覚したなら、それは素晴らしい収穫です。 好奇心や、学ぶ意欲と出会うかも知れません。 そんな風に、自分自身の“純粋なフィーリング”を糸口にして 辿り着いた『自分なりの答え』は、必ずと言っていいほど、 あなたに豊かさをもたらしてくれます。 それは、「幸せ」かも知れないし、「健康」かも知れないし、「知恵」や「賢さ」かも知れません。 あなたのフィーリングは、あなたに合ったベストな方法と、タイミングで、 正論にも勝る『あなたにとっての回答』を連れてきてくれます。 社会的な物差しや、他人の尺度が、幸せをもたらしてくれるとは限らないからこそ、 時には立ち止まって、あなたのフィーリングを感じられる『心のスペース』を、 自分自身に与えてあげてください。 どうぞ、一息ついてくださいね。 そして、あなたの心を感じてください。 あなたが自分自身のフィーリングに敏感である限り、 それが何より信頼できる、あなたの羅針盤になります。 ----No.2 「relativity～相対性の中のあなた～」 長文をお読みくださり、心より感謝します。 ありがとうございます。 -- love＆gratitude---EndFragment