知らないうちに農薬を振りかけていませんか?
- Bio Sinfonia
- 2015年1月22日
- 読了時間: 4分
更新日:10月22日

「無農薬だから、安心して食べてね」
と、ご近所さんからお野菜をいただいたとき、どういうわけか?そこに強烈な農薬状のものがついている・・・というパターンは、少なくありません。
そんなときは、野菜の表面をゴシゴシ洗ってみても落ちませんし、バケツに水を張って野菜を長時間ひたしてみても、取れることはありません。
一体、なにが起こっているのでしょうか?
無農薬の野菜なのに、農薬を使った野菜以上に、有毒になってしまう―・・・
そんな謎。
これは、
「収穫後の作物を、どこに置いておいたか?」
「保管しておいた場所の近くで、何をしたのか?」
によって、起こってくる事態です。
今、多くのお宅で非常によく使われているのが「虫よけグッズ」です。
「虫よけグッズ」と聞くと、キャッチーで軽い感じがしますが、これらは「家庭用農薬」のこと。
成分は、「殺虫剤」や「防虫剤」に相当します。
このような家庭用農薬には、スプレータイプだけでなく、「吊るすタイプ」や「電気式」など様々なバリエーションがあって、使われている成分も異なりますが、どれをとっても体に取り入れてはいけないものです。
こうしたお手軽な農薬グッズを、作物の保管場所の付近で使用してしまうと、無農薬の作物でもたちまち高濃度の農薬作物へと変貌してしまうのです。
たとえば、人が体に取り入れてはならない物質のひとつに、「有機リン系農薬」というものがあります。
有機リン系といえば、地下鉄サリン事件の「サリン」も有機リン系で有名ですし、中国製の毒入り餃子事件でも話題となった「メタミドボス」や「ジクロルボス」も有機リン系です。
有機リン系の薬剤は、生命の尊厳を異常なまでにおとしめてしまう、強力な毒性を持っています。
数年前までは、ヘリコプターによる田んぼの農薬散布にも、このタイプの薬剤が主に使われていました。
しかし、次第に危険性が問われるようになり、世界各地で規制がかかるにつれて、日本でも有機リン系を自粛する代わりに、また別の危険な薬剤である「ネオニコチノイド系」というタイプの農薬をメインとして使う流れとなっていったのです。
あまりにも危険だと知られているはずの薬剤ですが、やはり今もなお、ふとした場所にフワフワと漂っています。
それもそのはず。
「簡単!つるすだけ」
などのキャッチコピーとともに、手軽な「虫よけグッズ」として、あちこちで売られています。
これらの商品は、お菓子を買うのと変わらないくらいの気軽な感覚で入手できてしまいますが、お菓子と大きく違う点は、パッケージに「原材料の表示義務がない」ということ。
殺すための有効成分を宣伝するために「主成分」の開示はあれど、その商品を構成している「全成分」、つまり「どんなものが、どれだけ使われているのか?」を私たち一般消費者が知ることはできません。
明かされているのは一部のみで、その他の成分は「企業秘密」となっているからです。
そして、そのような商品が使われることで、「誰がどのような感覚を覚えるか?」は、それぞれの個々の肉体の、独自の感受性に左右されます。
「頭痛がする」
「体がだるすぎる」
「食欲が湧かない」
「イライラしてキレそう」・・・
薬剤を使っている本人よりも、その周りにいる人や、まったく無関係の第三者のほうが大きく影響を受けてしまう場合も少なくありません。
空気には、境界線がないからです。
このような「家庭用農薬」には、まともな規制が何もないために、買うのも使うのも個人の自由です。
だからこそ、使う人の知識やモラル、そして心の在り方に、すべてがゆだねられてしまいます。
このような商品をうっかり買わないことは、もちろん大切で、単純明快な選択ではありますが、
「なぜ人は、このようなものを使ってしまうのか?」
そこに注目していくことこそが、実は最も大切なことです。
わたしたち一人一人の存在には、計り知れない存在意義があるように、名前さえも知らない小さな虫には、人智を超えた存在意義があります。
「こわい」
「気持ちわるい」
と、確かにそう感じるのかも知れないけれど、そういった感情を抱く自分の心には「一体何があるのか?」を調べてみると、目から鱗の発見があります。
新しい価値観との出会いとは、まだ見ぬ「新しい自分」との出会いのことです。
虫さんであれ、上司さんであれ、友人の一人であれ、自分が何となく嫌っているものに気づき、そんな自分の内側にあるものを、自分自身で発見する・・
そうした【気づき】を重ねていくことによって、世界は広がり、幸せは深まり、要らないものは溶けていきます。
自然界は、そんな準備ができた人の心に、いつでも地球の豊かな神秘を惜しみなく見せてくれるものです。

お読みくださり、ありがとうございました。
2015年1月 Bio Sinfonia



