現代社会に生きる私たちは、衣食住において、実に過酷な環境に置かれています。
自然じゃない建物の中、自然じゃない食べ物を食べ、澄んでいるとはとても言えない空気を吸いながら、日々を過ごしていることが多いです。
その上、たくさんのストレスを抱えていたり、とにかく忙しすぎたり、様々な悩みや心労がのしかかっていたり。
さらに、そんなデフォルテ状態に加えて、あちこちに漂う頭が痛くなるような柔軟剤や洗剤の香り、知らず知らずのうちに体を弱らせる虫よけ剤や防虫グッズ、あふれんばかりの抗菌・除菌剤、そして気づかないような所に潜んでいる除草剤など、際限なく毒のオプションが降りかかってきます。
こんな風に、空気であれ、食べ物であれ、ストレスであれ、ありとあらゆる過酷なものをインプットしている私たちですから、アウトプットする際に「体臭や排せつ物として、くさいものを出すな」という方が無理な話です。
360度から呼吸を通して吸い込んでいるものは、自分が原因かどうかに関わらず、くさいものが多く、有害なものに満ちている社会環境です。
そして、これは私たち人間だけに限った話ではありません。人間社会と深い関わりを持つ動物たちや、小さい生き物たちも、そんな状況に置かれています。
ワンちゃんや、ネコちゃんもしかり。
陸の動物だけでなく、海のお魚や海藻もしかり。
そして微生物だって、くさいものや有害なものを食わされたら、くさくて有害なものをアウトプットするのは当然です。
しかし、メインストリームで流布される教科書的な論調と言えば、
「皮膚にいる細菌が分解する際に有害なものを出す・・それがニオイの元なのだ!」
というテンプレートです。
このようなストーリーは、私たちをモヤっと煙に巻いて、盲目にするには最適の論調です。
「細菌が分解する過程で出す副産物が・・」
という論調をワンクッションはさむことで、多くの人は「あぁ、そうなんだ‥」と何となく考える力を削がれ、ふんわり説き伏せられるため、引き続き細菌などの微生物を悪者にしたプロモーション活動が継続しやすくなります。
なにしろ、細菌などの微生物を「悪だ」ということにしておきたい人や、そう信じ込んでいる人たちにとっては、『細菌そのもの』が悪であれ、『細菌が出すもの』が悪であれ、どっちだって構わないし、同じようなものです。
「それ、どっちだっていいから」「どうでもいいよ」となるわけです。
なぜなら、その程度の論調であれば、どっちにしろ【除菌・抗菌・殺菌剤で、ばい菌をやっつけます!】というスタンスに変わりはないからです。
今回の翻訳動画のテーマである「デオドラント剤」も、そんな必殺アイテムの一つです。
本来、冷静に考えてみれば、あふれんばかりの合成化学物質のせいで臭くなった私たちの救世主になる
のが、さらなる合成化学物質のわけがないのです。
ケミカルで悪化した体臭への対策が、さらなるケミカルのはずがありません。
加えれば加えるほど、どんどん手の施しようがなくなるというのは、単純な話です。
体臭対策として、本当に根本的な解決策となるのは、毎日の暮らしの中から有害なものを一つ一つ確実に取り除いていくことです。
数々の無用なケミカル製品をやめていけば、私たちが絶え間なく吸い込んでいる空気は澄みわたり、お金は増え、部屋も広くなり、心も体も健康になって、いいことしかありません。
色とりどりの心を惑わすケミカル製品が世間にはあふれていますが、一つ一つやめていくだけでいいのです。
もちろん、体に吹きかけるスプレーやハンドジェルだけでなく、お部屋用の芳香消臭グッズや、除菌&抗菌スプレー、CMでやっているような商品群にも同じことが言えます。
(👇2015年の関連記事もご参考ください↓)
また、もしもお部屋全体のニオイが不快に感じる場合は、部屋そのものの素材や、そこに設置してあるインテリア家具、そこに置いてあるあらゆる大物・小物・雑貨や衣類、さらにそこでいつも過ごしている人の体に問題があるので、CMで宣伝されるような商品を使って隠蔽しようとすると、結局は問題が悪化してしまいます。
根本対策としては、換気をしながら掃除をして、原因物質を突き止め、衣食住の在り方を根本から見直し、有害なものは捨てていくことで改善していきます。
体の中も、お部屋の中も同じことで、有害なものや環境によくないものを着実に排除していけば、においも確実に減っていきます。
もしも現在、ケミカル商品を一切使わず、自然な住まいに暮らしながら、オーガニックのものを食べているのに体臭が強くて悩んでいる・・という方がいらっしゃるとしたら、それは現在の暮らしの結果ではなく、過去にわたって蓄積した毒素によって、体内の臓器や各器官がまだまだ疲弊している状態であるか、あるいはまだ実際に“病み上がり”の回復期のはずです。
体は、まだまだデトックスを必要としているということです。
しかし、引き続きその健康的な暮らしを続け、少しずつ筋力もアップさせていけば、体の機能が回復・向上し、劇的に体臭が変わってくるタイミングがやってきますので、偽りなく自然な暮らしをしているのであれば、安心していただいて大丈夫です。
ただし、スムーズなデトックスが続けられるよう、必ず便秘は解消しておき、メインとなる排泄ルートからしっかり排泄できる体づくりをお忘れなく!
* * *
逆に、病気でも何でもないのに体臭がきつく、体がくさいことが多いのだとしたら、「自分は元気なんだから大丈夫!」と思い込んでいるのは自分のメンタルだけであって、肉体の方は悲鳴を上げ始めており、根本的な生活を見直していかないと“病気”という状態が近づいてきますよ、というサインです。
ということで、今回のDr.サム・ベイリーの動画も、とても素晴らしい内容になっていますので、翻訳動画をどうぞご参考くださいね!
また、動画の後半にあった「自然なデオドラント剤」に関してですが、私が個人的にはおすすめしたい商品は特にありません。
なぜなら、ほとんどの商品が、どうしても「香料」を使用しているからです。
天然香料であれ合成香料であれ、つけた瞬間は一瞬だけいい香りに感じるかもしれませんが、基本的に「香り成分」というのは、つけた時を境にして、酸化・劣化・変質が始まります。
もしも、すべての人々が人体にも環境にもやさしいオーガニックの天然香料だけを、少量ずつ使いながら生きているとしたら、お互いのにおいが混ざり合ったとしても、空気中に漂うのは素敵な残り香のミクスチャーになるのかもしれませんが、残念ながら香害大国である日本では、そこらじゅうの空気があまりにも過酷な有害化学物質に満ちています。
森の中や、田舎の僻地、自然豊かな空間に住んでいる方なら話は別ですが、街に生きている方であれば、玄関から一歩外に出ると、意識していようとしていなかろうと、有害な合成化学物質の層が、他人の香りと一緒に降りかかってきます。
香りという“油分”の性質上、髪や皮膚や衣類に付着しやすいものですが、全身にくっついたそれらの成分は、遅かれ早かれ変質していき、環境中にあふれる他の有害化学物質と引っ付き合って、得も言われぬ気持ち悪いケミカルオーラとなって体にまとわりつくことになります。
そしてその結果、「なんか・・モワッとして、くさい‥!」という印象につながっていきます。
ですので、体臭を気にされている人こそ、さらに体に匂いを付け加える行為を、私はおすすめすることができません。
そうではなくて、まさしくその逆をやること―・・「減らすこと、取り除くこと」が肝心になります。
また、単品では「いい香り」だったとしても、体の他の部位につけている香り製品(ヘアケア剤、ハンドケア製品、ボディケア商品、フェイスケア製品)の成分と混じり合った結果、全体的な体臭がトイレの芳香剤のようなニオイに似てしまうケースもありますし、他者に対する香害の問題もあります。
本来、オーガニックで天然のものから抽出した香り自体は、様々な活用法や癒しの要素があり、素晴らしいものに違いないのですが、残念ながら、現代のような社会環境になってしまった以上、日常的に持続する香りを体に付けることのリスクを考慮しながら、さまざまなことを選択していく必要があります。
ですが、そんな中でも、ひとつだけ素晴らしい代替案をお勧めすることができます。
それがクレイ(土)です。
このような商品になっているクレイとは、粘土質の土壌成分を粉状にしたものを指しています。
上記の写真は、私が昔よく愛用していた、食品グレードの「ホワイトクレイ」です。
見た目もさながら、ベビーパウダーのように使用できます。
具体的な使用方法としては、シャーレのような容器に少量のクレイを取り出し、パフ(またはコットン)に適量を押しつけて、それを脇の下にポンポンと優しくあてる感じで使用します。
※ただし、クレイがお洋服につくと目立ちますので、スーツや大切な衣類を着用する場合は特によごさないように注意して、着ていく服から離れたところで行い、必ず服を着る前にやってださいね。
上記のクレイは、確か15年くらい前に買ったものなんですが、まだ半分くらい残っていて、今もバッチリ使えるという、信じられないくらいコスパも最強です!
私は、18~19年前くらいに、いきなりシャンプーも洗剤も何もかもケミカルなものは使えない!という状態になりました。吐き気がして、頭痛がして、眩暈がして、近づくこともできない!蓋をして部屋に置いておくことさえ無理!・・という状況になったのですが、その時にさまざまな代用品として助けられたのがクレイでした。
当時の私は、汗やの出方や、体温調節に関しても異常事態になっており、急に暑くなってどっと汗をかいたかと思えば、急にガタガタと震え出したり、冷や汗や変な汗をかいたり・・と、体がめまぐるしくデトックスをしようともがいているような感じでした。
ですので、異常な汗の出方や、においで悩む人の気持ちが、分からないわけではありません。
デオドラント剤を、なんの未練もなくパッとやめられる人は、わりと健康的な人かもしれず、汗のにおいに関して本気で思い悩んでいる方は、やめることにも躊躇してしまうかもしれません。
ですが、唯一の根本対策は、隠蔽することではなく、自分に起きていることを自覚しながら、ケミカルグッズの数々を暮らしの中から取り除いていくことです。
ですので、そもそも「必要ない・隠蔽しないほうがいい」ということを強調させてもらいますが、一方でニオイに関する悩みが深すぎて、どうしても何か対策をしないと明日を迎えられないし会社にも行きづらい・・というレベルまで思い悩まれている方には、個人的にはクレイをお勧めします。
ちなみに私が当時、使用していたクレイと参考書はコチラです。
また、日本産の素晴らしいクレイ製品もあります。粉状になっているのはコチラの商品です。
お値段もお手頃で、いろいろアレンジできるので、とても使い勝手が良いです。
(メーカーHPはこちらです)
昔は、クレイ製品は珍しいものでしたが、現在ではネットから気軽に購入しやすくなっていて、様々なメーカーのものが出ていますので、自分に合ったものを選んでみてくださいね。
(※クレイは、金属の容器には保管しないようご注意くださいね)
また、最後になりますが、嫌な体臭を増やすものとして、近年の「空気清浄機」にもご注意いただければと思います。
空気清浄機というジャンルは、昔から「抗菌剤」を使った抗菌フィルターを搭載している商品が多く、よくよく気をつけて製品選びをしないと、空気を綺麗にするよりも汚染する実力の方が高いものが断然多かったのですが、そんな空気清浄機の分野が、ますます危うくなってきているようです。
以下は、この間、実際にあった私の体験談です。
* * *
ある日、私の実家の母と、道端で会った時のことです。
母の全身から、得も言われぬ異臭が漂っていました。
私はびっくりして「なにを使い始めたの?」と聞きました。
すると、母は「何も使ってないよ」と言います。
ちなみに通常であれば、私の嗅覚は「何を使ったの?」と聞くまでもなく、「●●系の商品を使ってるね」とか「●●系の薬剤グッズを使ったんだね」と、その人の体から分かるのですが、その時は、これまで体験したことのない薬品臭のコラボレーションの層に、「一体なんの影響なのか?」がイマイチ分からず、思わず本人に尋ねました。
母は、「別に何もやってないし、何も使ってないけど」と言い続けます。
それでも事実、明らかに体臭が異常なので、「本当に思い当たることはないの?」と、よくよく聞き出してみたところ、「そういえば、お父さんが高性能な空気清浄機を気に入ってしまって、それを毎日リビングでつけてるわ」と言うのです。
なにやら、「薬剤不使用で、UVライトで蚊を寄せて殺す空気清浄機」というのが売りの製品らしいのです。
その製品を、メーカーHPで詳しく調べてみたところ、蚊を殺すための殺虫剤は使っていないものの、搭載しているフィルターに、抗菌剤および防カビ剤を浸透させたものが使われていました。
つまり、薬剤の科目として、「殺虫を名目とした薬剤」は使用していないものの、「抗菌を名目とした薬剤」や「防カビを名目とした薬剤」なら、バリバリ使用されていた!というわけです。
その空気清浄機の使用をやめてもらったところ、母の体から放たれていた異臭は見事に消えて、いつも通りのニオイレベルに戻りました。
このようにして、魅力的な宣伝文句に踊らされたわけですが、これがまさしく広告のテクニックです。
このパターンは、「無添加」を売りにする「無添加広告」とよく似ています。
「無添加」という風に大きな文字で宣伝されているものの、「具体的には何を添加していないってことなの?」という主語をきちんと確認しないと、その実情は、たとえば「着色料だけ無添加」であって、それ以外の合成添加物はたっぷり使用されているよ!・・といったパターンが昔からよくあります。
これと同様で、これからの時代は「薬剤不使用」という謳い文句にも要注意ということです。
「不使用!」という宣伝文句の影で、おそろしい別の何かが使われていることもあるというわけです。
「薬剤不使用ってのは、具体的には何の薬剤のことを指してるの?」という主語の確認を、忘れずにいきたいものですね!
今回の翻訳動画を、サブスタック(メルマガ)からご覧になる場合は、こちらのリンクです。
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